見せられる見本は1本できた。あとは応募するだけ。そこまで来てから、メッセージの入力欄の前で手が止まることがあります。
実績が0件だと、書くことが何も無いように見えます。けれど応募文は、実績の代わりに何かを書くものではありません。事実のまま書けることを、相手が判断できる順に並べたものです。
この記事が扱うのは、送る1通の中身だけです。最初の1件に届くまでの工程はAI副業の始め方ロードマップに、どこで仕事を受けるか、報酬がどう支払われるかは仕事を受けて納品するまでの全体像にまとめています。応募画面がどうなっているか、何文字まで入るか、ファイルを添えられるかは応募先ごとに違うので、自分が応募する先で確かめてください。この記事では扱いません。
この記事でわかること
- 応募文で、あとから直せない4つのこと
- 実績が0でも、事実のまま書ける材料
- 1通の組み立てと、送る前に見る5点
応募文で、あとから直せないこと
先に4つだけ確認します。どれも送ったあとで戻せない種類のもので、ここさえ外さなければ、あとは書き方の問題です。
事実と違う経歴は、文章を読む前の話になる
実在しない取引先や、受けていない仕事の実績は書きません。「◯◯社のオウンドメディア向けに執筆」のように書くと、その会社と取引があるように読めます。
練習用に想定の条件を置くこと自体は問題ありません。「どんな読者に向けて、何のために書いたか」を自分で決めて書いた見本は、応募で使えます。書き方は1つで、「自主制作」「練習用」と分かる形にすること。見本の本文に入れておけば、URLだけが相手に届いたときにも伝わります。
自分以外の人の情報は、応募文の材料にしない
本業で扱っている資料、取引先の情報、社内の数字は、応募文の材料にしません。守秘義務の対象になっていることがあり、外に出した時点で取り消せません。本人が公開を承諾していない実名・勤務先・連絡先も同じです。
書けるのは、相手が分からない形にしたあとの事実です。社名を「A社」、人の名前を「担当者」に置き換える。具体名を出せない業務でも、どのくらいの規模の仕事を、どのくらいの件数やってきたかは書けます。置き換えても特定できてしまうなら、その材料は使いません。
注意
どこまでが守秘義務の対象かは、勤務先の規程や契約によって違います。判断できないものは、応募文に書かないでください。
AIを使ってよいかは、応募先ごとに違う
募集要項に「AIの使用不可」と書かれている案件があります。その場合は使わないで書くか、応募しない。ここを破ると信用の問題になります。
読む場所は2つです。募集要項と、そのサイトのルールのページ。
できることを、確認できる範囲より広く書かない
「どんな分野でも書けます」「必ず納期を守ります」のように、確認できる範囲より強い言い方をしません。引き受けたあとで足りないと分かっても、受けた話は戻せません。
やることは1つで、できないことを1行書くことです。引き受けられない形式や、扱えない分野を先に出しておきます。
実績が0でも、事実のまま書ける材料はある
受注した仕事が0件でも、書ける材料はいくつもあります。
会社員として経験してきた業務、仕事で使っているスキル、生成AIを使っている期間と用途、過去に作って見せられる形になっているもの。
応募文を書く前に、この材料と「引き受けられない範囲」をメモに書き出してください。先に出しておくと、埋めるのは並べ替えだけになります。
1通に入れる5つのブロック
材料がそろったら、次の順に並べます。
- 何の募集に応募するのか募集要項で指定されていること(狙うキーワード、想定読者、文字数、構成の指示、参考記事、書いてはいけないこと)を読み、分かったことを自分の言葉で短く返します。読んだことが相手に伝わります。
- 自分が出せるもの前の節で書き出した材料から、この募集に関係するものだけを選んで書きます。関係しないものは入れません。
- 見本の案内練習用の見本であることと、どんな読者に向けて何のために書いたかを1文で添えます。
- AIの使い方募集要項の記載に合わせて書きます。分け方は次の節にまとめました。
- 引き受ける範囲と、引き受けられない範囲扱える分野、受け取りたい材料、対応できない形式。判断できなかったことがあれば、最後に質問として1行置きます。
並べると、こうなります。これは写して送る文章ではなく、項目の順番です。中身は読者ごとに違うので、空欄のまま置いてあります。
① 〇〇の募集を拝見しました。〇〇という条件で、〇〇向けに書く記事という理解です。
② 本業で〇〇を担当しています。生成AIは〇〇の用途で〇〇ほど使っています。
③ 練習用に書いた見本を1本お送りします。〇〇向けに、〇〇を目的として書いたものです。
④ (AIの使い方。募集要項の記載に合わせて書く)
⑤ 〇〇は対応できます。〇〇は対応できません。〇〇について教えていただけますか。
見本そのものの作り方は、練習用の見本を1本作る手順にまとめました。どの欄に貼るか、どう渡すかも、そちらで扱っています。
補足
募集要項に書き方や記載事項の指定があれば、そちらが優先です。この順番は、指定が無いときの並べ方として使ってください。
AIの使い方は、募集要項の記載で決まる
ブロック④で何を書くかは、募集要項の記載で決まります。こちらで判断しません。
| 募集要項に書かれていること | 応募文に書くこと |
|---|---|
| AIの使用不可と書かれている | 使わないで書く。使うつもりなら応募しない |
| 使用の条件や、記載が必要かどうかの指定がある | その指定どおりに書く。言い方を自分で変えない |
| AIについて何も書かれていない | 読んでも判断できないことを、質問として1行書く |
応募文そのものをAIに下書きさせることもできますが、材料は自分の状況なので、渡していないことは書かせません。経験や期間や実績を埋めさせると、それは、はじめに確認した「事実と違う経歴」を自分で書くことになります。任せるのは並べ替えと言い回しまでにして、中身は自分で入れてください。指示文の作り方はAIへの指示に入れる5つの項目にあります。
自己紹介の1文で見ると、違いはこうなります。どちらも説明のために用意した文章です。
書き方が広い例
AIを活用した記事作成が得意です。読者に寄り添った、わかりやすい文章を心がけており、丁寧な対応を心がけております。
どこまで自分がやるか書いた例
構成案と下書きは〇〇(ツール名)で作り、事実の確認と最終的な文章は自分で行います。〇〇の分野は本業で扱っているため、用語の確認ができます。
2つの違いは、AIを使ったかどうかではなく、どこを自分が確認したかが書いてあるかどうかです。
送る前に見る5点
書き上げたら、送信の前に1周します。
- 事実でない文が1つも入っていない
- 自分以外の人の名前・勤務先・社内の数字が入っていない
- 募集要項で指定されていることに、全部答えている
- できないことを1行書いている
- 前に応募した先の名前が残っていない
最後の1点は、同じ文を別の募集へ送るときに起きます。誤字と表記ゆれを見る手順は渡す前に誤字と表記ゆれを確認する手順にあります。見本のほうも、送る前に同じ確認を通してください。
返事が来ないときに直せる部分
送っても返事が来ないことがあります。直せるのは2つだけです。1つは、募集要項に答えた部分。同じ1通を使い回しているなら、ブロック①と⑤を募集ごとに書き直します。もう1つは見本で、応募する仕事の形に近いものへ差し替えます。残りは直せる部分ではないので、次の募集に移ってください。
まとめ
書けないものを先に外せば、残った材料で1通は組めます。
今日やるのは、条件に合う募集を1件選んで、見本を添えて1通送るところまでです。


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